フィンランドからの帰国便でJKが北ミサイルに遭遇した件について
投稿日: 2016年8月27日 22:49
へんなニュースが入ってきた。
北朝鮮が24日早朝に発射した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の航跡とみられる写真を、中国上空を飛行していた航空機内から、島根県立矢上高校(邑南町)の女子生徒が撮影した。
[…]
撮影したのは、2020年東京パラリンピックの事前合宿を誘致するため、邑南町がフィンランドに派遣した交流団メンバーの同校1年の女子生徒(15)。同国の首都ヘルシンキから福岡空港への帰国便に乗り、中国上空を南へ飛行していた24日午前5時半頃、機体後部の左側の座席窓から撮影した。
北ミサイルか、女子高校生が機内から航跡撮影 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) より引用
本記事よりJK当該機は、23日16時30分(現地時間・16年夏ダイヤ)にヘルシンキ空港を出発し、翌8時30分(同)に福岡空港に到着するフィンエアーAY75便であることがわかる。この便はヘルシンキ発基準で火木土、福岡発基準で水金日曜日の週3回のフライトで、機材はエアバスA330-300が使用され、同じくワンワールド加盟の日航JL6807便としてもコードシェアされている。
余談だが、フィンエアーは日本へ成田・中部・関西・福岡と4空港へ路線があり、このAY75便と折り返しAY76便は九州と欧州を結ぶ唯一の航空便である。
関西空港にて出発準備中のフィンエアーのA330-300 (2015年12月)
Flightradar24にて、23日火曜日発のAY75便のログを取得した。
23日のAY75便は、現地時間16時42分に出発し、7時27分に到着している。使用機はA330-300のOH-LTTであり、この機体は2010年4月にエアバスから受領し、ここ1ヶ月は日本や中国、インド、アメリカなどへの長距離便に投入されている。
Fr24のログが位置を推測するための信頼ある情報源となるかだが、空中衝突防止装置より送信されるADS-B信号を傍受したものであること、このため入手しようと思えば捜査機関でなくても手軽に入手できるため一昨年のMH17便撃墜事件などでもマスコミが航跡として使用していたことから、取り入れることとする。
AY75便のルート。成田や中部発着の欧州便はシベリア経由だが、西日本だと北朝鮮領空を避けモンゴルからロシア領空に入る場合が多いようだ。
昨日の共同通信によると撮影時刻が5時半~40分、さきの読売新聞の記事では5時31分撮影の雲が上がっているが、Fr24で当該便のKMLログデータをダウンロードしGoogle Earthに流し込んでみる。
ダウンロードしたデータはウェイポイントが1分おきにしか記録されていないのが使いづらいが、5:31 JST = 20:31 UTC では内モンゴル自治区上空を飛行していたことがわかる。余談だが関空行きの僚機AY77便はまだモンゴル領空を飛行していた。
今回発射されたのは潜水艦発射弾道ミサイルであり、北朝鮮は発射場所を公表していないものの日本海上であるとみられているが、1000km以上離れている。
CSVファイルを読み込んだところ、この当時高度3万9100ft=約1万2000m、速度508kt=約940km/h、方位角163度と南南東の方向へ飛行しており、機体そのものはいたって安定飛行していたことがわかる。
というわけでおおよその撮影地点がわかったわけだが、それにしてもこの女子高生学校名はともかくして顔まで出していて、北朝鮮の怖い人達に連れて行かれたり最悪殺されたりしないかが最も心配にしか思えないが。
古い記事へ 新しい記事へ