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新卒採用の履歴書をパソコンで作成する

投稿日: 2018年3月1日 14:18

一般的な履歴書作成の解説

これは、ハローワークがPDFで出してます。就活生を売り物扱いして企業から掲載料を徴収する陸ナビや舞ナビや、くそ胡散臭いアフィカス就活サイトの5000兆倍信頼できます。

 

パソコン作成のポイント

バカかと思うほどとにかく丁寧に

読みやすさを最重視してパソコンで作成している以上、それが読みづらくなればせっかく苦労して作ったものでも台無しです。

また、手書きで表現できる利点の「字から読める入社意欲や丁寧さ」を捨ててしまっているので、パソコン作成における丁寧さで勝負しなければなりません。

ミスはなくす

先ほどと重なる部分がありますが、印刷したものを二重線訂正印押して訂正するほどならば、ハナから新しいものに印刷してしまいましょう。

大学指定の履歴書を使うべきか

もちろん、企業側からそのような指定があれば従わなければなりませんが、よい記事がありました。

まとめると以下になります。

  1. 大学指定のものは自己PR欄などがあり、市販のものより書き込む量が多く、逆に市販を使うと楽をしていると思われることがある (石渡氏)
  2. 決められたことを守らないのではないかと思われることがある (同)
  3. 校章が入っているため、ひと目で出身大学がわかる

どうもこの議論は、手書きする場合において 市販を使うか大学指定を使うか というような流れになっているような気がしてやれません。つまるところ自分で作成する場合では、自己PR欄や得意科目などをしっかり用意しておけばよいはずです。

石渡氏の主張の中で最も謎なのが 2. なのですが、入社したい学生対企業という大前提の関係があって、その中に学校が履歴書のスタイルをどのように関与するのでしょうか。確かに企業が大学指定を求めればそれは「決められたこと」となるにしても、推薦でなければ学生が自由に応募するシステムを考えれば、結局のところ学校側は「推奨」はできても「指定」することはできないよう思います。

ちなみに私も大学指定の履歴書を参考にするために、在学中にもらっておいて持ってはいました。しかし、手書き前提となること、入っている校章の入れ方がロゴガイドラインに違反していたこと、余白のとり方がてんで意味不明だったことから、使うべきではないと判断しました。

なお厚生労働省は公正な選考のために、事業主に対して新規大卒者の応募用紙は「新規大学等卒業予定者用標準的事項の参考例」または「JIS規格の様式例に基づいた履歴書」を用いること、また別途ESなどを課す場合についても適性や能力と関係ない事項を求めないよう指針を出しています。

印刷方法

プリンタ

家庭用のインクジェットプリンタでもよいと思いますが、黒色が染料系インクだと濡らしたときに多くの場合にじみます。リスクを承知するか、顔料系の機種を使うか、レーザープリンタを使うなどの手が考えられます。キンコーズも悪くないですが、まとまった量がないのに出向くのしんどくないですかね?私は会社に入る際、モノクロレーザプリンタですべて出力しました。

コンビニのコピー機は、原則として持ち込んだ紙の印刷はできません。ならば厚紙としてセットしてあるA4の光沢紙に印刷も思いつきますが、紙の上でメモができず、また一般に光沢紙を履歴書として使わないので不適当です。一度提出日を間違えて印刷したものを、家に取りに帰れずコンビニで普通紙に印刷したこともありましたが、このときは落ちてしまいました。

用紙

日本の企業に提出する場合、紙はA4マット紙一択でしょう。B5だとA4に比べどうしても枠が小さくなるため志望動機などで字数を稼げません。

紙質の理由は、光沢でなくて多少厚い、仕上がりが綺麗、かつ安いという基準でですが、紙自体もペラペラのコピー用紙だと安っぽく見えますし、写真を別途貼り付けるとその厚さで負けてしまうのでアンバランスです。具体的にコクヨの坪量118g/m2のものは、一般的なコピー用紙の倍ですが、明らかに違うのはわかります。

なおこのコクヨの用紙は裏表があるので、A4出力だと2枚使います。そのためページ番号を必ず入れ、提出時はゼムクリップをします。ステープルでとじるのはやめましょう。

どうしてもA3で出したいけど印刷環境がない、という場合には日本法令のA4プリンタでもA3でできてしまう履歴書専用用紙があります。

製作環境

私はInDesignで作成しましたが、InDesignかWord辺りがいいんじゃないんかと思います。使ったことができないので評価できませんが、LaTeXによる作成もインターネットにはノウハウが転がっています。

Excel

Excelには、表の枠に対して入力量が多くなりがちな履歴書の場合、セルぎりぎりに打ち込んだものが、開き直したときや印刷時にはみ出す致命的な不具合があります。
これはマイクロソフトも認めている問題なので、ミスを減らすという観点からも個人的にはおすすめできません。

Illustrator

Illustratorには表の作成支援機能がありません。それに比べ同じAdobeだとInDesignの場合、最初から低労力で履歴書の枠となる表を作成できますので、より効率的です。

履歴書作成支援サイト

枠なども最初から作ってくれる作成支援サイトがあります。何でもかんでも作ってくれるのは便利ですが、PDF出力となった場合データを直接編集がききづらいのと、稀ですが就活中にサイトが閉鎖されるリスクがあります。なお、以下はいずれも作りかけのデータ保存と読み込みはできます。

データ管理

いずれのソフトにせよ、私はローカルで作業データを保存することを勧めてしまったので、データの確実な管理が必要です。

コンビニで印刷できるからUSBメモリに保存という人がいて、確かにおっしゃっていることは正しいですが、住所や学歴といった情報まみれのUSBメモリを置き忘れる、落とすという最悪なパターンがあります。これを考えるとDropboxやGoogleドライブといったオンラインストレージを活用するのが運用面でより安全に思います。オンラインストレージでも、PDFに変換しスマートフォンなどを介してネットプリントなどにアップロードすることで、同様にコンビニでも印刷できます。

この辺りは個々人の感覚によるところが大きいですので、例えば家のNASに保存も有りだとは思います。まあUSBメモリはやめとけ。

全体的な配置について

JIS Z8303 (帳票の設計基準) に例として上がっている履歴書 (以下、JIS規格履歴書) では、転職歴の多い人にも対応できるようA3右側部分にも学歴職歴欄が食い込んでいますが、新卒の場合基本的に 職歴:なし で余りますので、適度に行をカットし右側部分は志望動機などで埋めてしまいます。これは前述の厚労省の参考例と同様です。

紙の余白

結論からすると、左方向のみ22mm〜25mm、上下右方向をを20〜25mm程度とします。

当初、上下左右20mmを基準に作成していたのですが、日本で一般的に用いられる2穴の穴あけパンチに対する JIS S6041 (事務用穴あけ器) によると、

とのことなので、穴を開けてファイリングした場合2mmしか余裕がありません。あとになって気づいてしまったので、途中から全体的に2mm右にオフセットして提出していました。なお、ページ番号はヘッダという意味合いで上方向余白の部分に食い込ませています。

フォント

言うまでもなく、本文には可読性が高いフォントを選びます。メールアドレスは私の場合、ドメイン取るときに失敗して数字の1とアルファベットのlを区別しづらい可能性があったので、Verdanaで回避させました。ふりがなをふるのもアリかもしれません。

各部ごとポイント

個々人によって必要不必要な項目があるので、このあたりを自由に調節できるのが自己作成のメリットです。

①ページ番号

1枚目に1/2ページ、2枚目に2/2ページと入れます。

②写真欄

一般的には40mm×30mmですが、後から写真を貼り付けた際に線が出ないよう、枠自体は38mm×28mmとわざと小さめにします。

さて、パソコン作成の履歴書で写真をどう処理するかは議論が分かれるところで、予めデータとして取り込んでおいて一緒に印刷してしまうか、別途撮影した写真を貼り付けるかですが、私の場合本文をモノクロレーザで印刷してしまったので、後者をとりました。履歴書用紙とプリンタの印刷品質に少しでも疑問を感じれば、迷わず別途貼り付けましょう。

ところで私はその写真を全てスピード写真で送っていましたが、キタムラだと40mm×30mmが4枚で1,500円〜なんですね。撮り直しもしてくれます。マップレンタルでEF24-70/2.8L2を借りると1日3,700円もする上撮影環境を整えなければならないので、余程急がなければ証明写真機に潜り込む必要はなさそうです。

③日付

一般に、郵送提出の場合は投函ないし発送日、手渡しの場合は渡すその日を入れるべきだといわれていますが、パソコン作成で他社用のデータを使いまわすと、間違った日付で渡しかねません(私もミスりかけました)。手書きでもここを間違えると厳しい部分ですので、気をつけましょう。

④生年月日

日本では西暦と和暦が併用されている関係上、履歴書内の年号はどちらかに揃えるほうがよいとされています。これは手書きでもパソコン作成でも変わりませんが、問題なのはあなたの生年月日です。

2018年現在で、受け取る人事を50歳、就活生を22歳とすると、前者が1968年=昭和43年生まれ、後者が1996年=平成8年生まれになりますが、人事の血縁者などで同年代がいない限り、人事担当がこれらを瞬時に計算するのは困難でしょう。そのため生年月日欄に限り、ほかで和暦を使っていれば和暦カッコ西暦、この逆ならば西暦カッコ和暦で併記すると親切に思います。

⑤押印欄

押印欄があれば印鑑を押さなければなりませんが、履歴書に押印は本来不要なので押印欄を用意しません。まあ、入れたい人は入れればいいと思いますし、もし企業から押印してくれと言われれば氏名右側などに別途押印します。

⑥性別

男か女に丸をする様式よりも、ご自身の性認識に基づいて男か女と入力すればすっきりします。

⑦住所欄のふりがな

私は入れていますが、提出先が地元企業や明らかに読める住所地なら、不要です。

⑧メールアドレス

別に枠がどうこうって問題じゃないんですけど、新卒なら学校のメールアドレス使って就活する手もありますが、何かの事情で卒業以後連絡しなければならなくなった時、原則として卒業するとメール読めなくなりますよ。フリーメールのドメインも安っぽく見えますし、自分でドメイン取ったアドレスを載せていました。山田太郎さんが、taro1992@gmail.com と mail@taroyama.jp だとそりゃ違いますよね。

⑨現住所と異なる連絡先の欄

主に実家と離れた下宿先に住んでいる場合に連絡先として書いておく欄ですが、実家に住んでいればそもそも枠を作る必要はありません。あとで気づいたけどこの欄に携帯電話や電子メール欄まではいらんわ。

⑩パンチ・センターマーク

企業が応募者の履歴書をファイリングする場合を想定してセンターに入れます。穴あけパンチ側でゲージが用意されていることもありますが、一応入れておけばより丁寧です。

A4の縦は297mmですので、マークを正三角形とすると中心をY方向148.5mmになるよう入れます。なお、余白で用いた JIS S6041 によると、穴の直径が6±0.5mm、紙の端からの位置が12±1mmとなっているので、センターのマークは中心でX方向12mmが妥当に感じます。

なお、プリンタの都合でセンターが出ないなどずれてしまうときは、実際にパンチしてみて調節を入れるか、そもそもパンチマークを入れないという選択肢もあります。

[2枚目] 志望動機等

省略します。

[2枚目] 署名欄

2ページ目に名前を入れていないため、企業側で1連の履歴書がばらけてしまったときに誰のかわからなくなります。このため、このページに名前を入れるという目的と、履歴書の内容に虚偽がないことを示す意味で、右下に署名欄を作っています。ここは手書きでいいんじゃないんですかね。

[2枚目] 通勤時間、本人希望記入欄など

JIS規格履歴書では以下の欄が用意されていますが、新卒だと邪魔に感じます。

というのも、例えば地方から引っ越し前提で東京の企業に応募する場合、引越先が決まらない限り通勤時間なんて書けませんし(このため枠があれば空欄にします)、また学生だと多くの場合未婚と思われますので、配偶者や扶養の欄自体に意味がありません。ただその事実がある場合結局申告しなければならないため枠は入れるべきでしょうが、多くの場合枠自体作らなくてよいでしょう。

また本人希望記入欄について、JIS規格では多めにとられていますが、新卒だとせいぜい希望職種を書いておいて、他に入れるとしたら勤務地、後は 貴社/御社規定に従います。 程度じゃないかと思います。すると何行も枠がある理由がないので、1-2行程度は入れておけばいいと思います。

提出前の注意点

何度も確認することにつきないと思います。パソコン作成だと印刷そのものには時間がかからないので、最低でも提出数日前に一度印刷しておいて、数日間で何度か読み直しているとその間に重大なミスに気付ける可能性があるからです。

私も知見が少ないのに6000文字以上も偉そうに指摘してしまいましたが、皆さまに良い結果となることを期待しております。